dohokuhub を立ち上げた話、 そして 6 月の整備
道北で暮らしながら地域事業に関わっていると、 「この課題、 北海道の中でうちだけじゃないはず」 と感じる瞬間が増えていく。 後継者不足、 一次産業の経営規模分布、 地域おこし協力隊の任期後進路、 自治体ふるさと納税の構造、 こども支援の届け先。 ところが、 「全国 vs 北海道」 「北海道内の地域別」 「課題と打ち手」 を一気通貫で見られる場が、 国内には ほぼ存在しない。
dohokuhub は、 この穴を地道に埋めるためのリサーチハブとして立ち上げた。 表に出ている公的統計と、 現場の取材から拾える定性情報を、 ファクト ・ 仮説 ・ 推論 ・ 中心問いの 4 区分で整理して公開する。 商売の道具ではなく、 北海道で何かを始めたい人 ・ 地域政策に関わる人 ・ 学術 / メディアの人が一次的にアクセスする場所、 を目指している。
設計の核
3 つだけ決めて始めた。
第一に、 中立性。 大東個人の事業や、 特定企業 ・ 特定メディアへの言及を本文から外し、 サイト全体を 1 つの編集スタンスでまとめる。 「特定の立場からの主張」 ではなく、 「みんなが土台にできる事実 + 推論」 を提供する場としての立ち位置を守る。
第二に、 ファクト ・ 仮説 ・ 推論 ・ 中心問いの分離。 ジャーナリズムも政策論も、 多くの場面で「結論を急ぐ書き方」 をしてしまう。 読み手が「どこまでが確定で、 どこからが解釈か」 を一目で区別できる構造にすることで、 議論の質を底上げしたい。 「推測」 ではなく「推論」 という言葉を意識的に使うのも、 ここに関係している。
第三に、 全道スコープへの拡張。 当初は道北のリサーチ蓄積 (hokkaido-research) として出発したが、 北海道全体で見た方が比較が機能することが分かり、 2026 年 6 月に全道に拡張。 道北発、 だが視点は北海道全体、 という編集方針を確定させた。
6 月の整備内容
ここ 1 ヶ月で進めた主な作業を簡単に並べておく。
コンテンツ構造の標準化: dataset ( 公的統計に基づく数値解説 ) / story ( 取材ベースの解釈記事 ) / dxai ( AI と現場の交差点 ) の 3 カテゴリに整理。 URL も /data/, /story/, /issues/ の単数形で固定し、 内部の構造ファイル名 ( 複数形 ) と公開 URL ( 単数形 ) を分離して保守性を確保した。
4 ペルソナ × 3 段ジャーニーの体験設計: dohokuhub は「知る → 着想 → 実行」 の 3 段階で読まれる前提に立ち、 各ペルソナ ( 研究者 / 起業家 / 政策担当 / メディア ) ごとに導線を設計した。 重い記事を読みに来た人にも、 軽くトレンドだけ知りたい人にも、 適切な深さで提示できるようにする狙い。
dataset の編集ルール明文化: 既存記事を「ファクト / 推論 / 中心問い」 ブロックに再編する作業を進めている。 古い記事も順次同じ構造に揃え、 ハブ全体の読みやすさを保証する。
外部リンクと一次出典の透明化: 数値解説の data 取得元に、 単なる機関名表記ではなく直接 URL を併記する形に統一。 一次情報へのアクセスをワンクリックで保証する。
情報ソース戦略の整理: 課題発掘は道内重視、 解決策の参照は道外事例も積極利用、 という二段構えを基本ルールにした。 「北海道の中だけで考える」 危うさと、 「他県の事例を雑に持ち込む」 雑さの両方を避ける指針。
これから
短期では、 蓄積した dataset / story を「どの順番で読めば北海道の構造が見えてくるか」 のキュレーションを進める。 ハブとして使い始めた人が「自分なりの地図」 を作れる導線を整える。
中期では、 各 dataset に対応する 「どんな問いを立てるべきか」 を補強し、 政策立案や事業企画の現場で実際に引用される密度を上げていく。
長期では、 北海道に関わる研究者 ・ メディア ・ 自治体に「北海道のことを語るならまずここを見る」 と思ってもらえる中立的な参照点を目指す。 商売ではなく、 地域への投資としてのリサーチハブ。
その先に置きたい役割は、 もう一段はっきりしている。 dohokuhub を、 地域で課題に向き合う人 ・ 事業と向き合う人 ・ チャレンジする人にとっての「情報という面での武器」 にしたい。 数字や事例を引用するための場、 ではなく、 動き出す前の判断と動き出した後の検証を支える道具として。
加えて、 そんな地域プレイヤー同士が互いを知り、 学び合うコミュニティづくりにも、 中長期で踏み込んでいきたい。 情報のハブから、 人のハブへ。 一気には進まないが、 そこを目線として持っておく。
詳しくは dohokuhub.com から。